地方上級 / 数的推理 / zs-21

更新 2026-09-14

覆面算・虫食い算・記数法の応用

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

覆面算・虫食い算は、数的推理の中では出題数は多くないものの、地方上級・国家一般職で数年に一度は見かける型です。解き方は「候補をしぼって試す」に尽きるので、しぼり方の手順を知っているかどうかで時間が大きく変わります。記数法(N 進法)は zs-11 整数の性質でも扱いますが、この単元では「N 進法の足し算・かけ算」「桁数から範囲を決める」「末尾の 0」といった応用の出方をまとめます。判断推理の zs-08 操作と手順(天秤・油分け算)と同じく、「場合を絞る」思考の練習になります。


1. 覆面算 ── 手がかりは 3 つ

まずここだけ

覆面算は、同じ文字は同じ数字、違う文字は違う数字、先頭の文字は 0 でない、という約束で「文字がどの数字か」を当てる問題です。手がかりは次の 3 つで、この順に見ると速く決まります。

  1. 最上位のくり上がり:2 桁 + 2 桁が 3 桁になったら、百の位は必ず 1(最大でも 99 + 98 = 197)
  2. 一の位:くり上がりの影響を受けないので、まず一の位の候補を出す
  3. 同じ文字が複数の位にあるところ:11(A + B)、9(A − B) のように倍数の形に直せる

AA + BB = CBC(A、B、C は異なる 1 桁の数字) 手がかり 1:C = 1。答えは 1B1 の形 手がかり 3:AA + BB = 11A + 11B = 11(A + B) は 11 の倍数。101〜191 の 11 の倍数で「1□1」の形は 121 だけ → B = 2、A + B = 11 → A = 9 検算:99 + 22 = 121 ✓

ここまでできれば十分

桁を入れかえた数は覆面算の定番です。2 桁の数 AB を 10A + B と書くと、

AB + BA = 121、AB − BA = 27 A + B = 11、A − B = 3 → A = 7、B = 4 → 74

3 桁の数 ABC(100A + 10B + C)と、百の位と一の位を入れかえた CBA の差は 99(A − C) で、十の位は消えます。「差が 396 → A − C = 4」のように、差を 99 で割ったものがそのまま百の位と一の位の差になります。

もう一歩(発展)

「A + B = 11、A − B = 3」のような 2 つの式が立ったあとは、和と差の偶奇が一致していることを確認してください。和が偶数なら差も偶数、和が奇数なら差も奇数でないと整数解がありません。合わないときは、くり上がりの見落としを疑います。


2. 虫食い算 ── 一の位と桁数で決める

まずここだけ

かけ算の虫食い算は、一の位から決めます。□ × 7 の一の位が 1 になる □ は 3 だけ(3 × 7 = 21)のように、九九の一の位はたいてい 1 通りに決まります(偶数 × 5 のような例外を除く)。

4□ × 7 = 3□1 一の位:□ × 7 の一の位が 1 → □ = 3 → 43 × 7 = 301 → 答えの □ は 0

ここまでできれば十分

割り算の虫食い算は、部分積の桁数「引いたら 0 になる」場所が手がかりです。

「候補を 2〜3 個に絞って、全部試す」のが結局いちばん速い、という場面が多い分野です。試す前に絞ることだけ意識してください。


3. 記数法 ── 10 進法を経由する

まずここだけ

N 進法は、右から 1、N、N²、N³、… の位です。

N 進法の 1 つの位に使える数字は 0 から N − 1 まで。5 進法に 5 や 6 の数字は出てきません。

ここまでできれば十分

N 進法どうしの計算は、10 進法にそろえてから計算し、答えを N 進法に戻すのが確実です。

2 進法の 1011 + 3 進法の 102 を 5 進法で 1011(2) = 8 + 2 + 1 = 11、102(3) = 9 + 2 = 11 → 和 22 → 22 = 4 × 5 + 2 → 42(5)

同じ N 進法どうしの足し算なら、そのまま筆算もできます。「N になったら 1 くり上げる」だけです(3 進法で 2 + 2 = 11)。かけ算は 10 進法を経由する方が間違えません。

桁数から範囲を決める問題は、「N 進法で k 桁」を「N^(k−1) 以上 N^k 未満」と読みかえます。

10 進法で 3 桁(100〜999)の自然数のうち、8 進法で 3 桁(64〜511)になるもの → 100〜511 の 412 個

N が分からない問題は、桁数でおよその大きさをしぼってから試します。

10 進法の 80 を N 進法で表したら 120 になった。N は? N² + 2N = 80 → N = 8(N = 9 なら 99、N = 7 なら 63 で合わない)

もう一歩(発展)

末尾の 0 の個数:N 進法で表したとき末尾に 0 が k 個続くのは、その数が N^k で割り切れて N^(k+1) では割り切れないときです。10 進法で末尾に 0 が続く個数が「10 = 2 × 5 で何回割れるか」で決まるのと同じ理屈です。2 進法の 252 は 252 = 2² × 63 なので末尾の 0 は 2 個(11111100)。

N 進法の数の各位の和N − 1 の倍数の関係も知っておくと役立ちます。10 進法で「各位の和が 9 の倍数なら 9 の倍数」と同じ理屈で、N 進法では「各位の和が N − 1 の倍数ならもとの数も N − 1 の倍数」です。


4. よくある間違い

間違い正しくは
覆面算で先頭の文字に 0 を入れる先頭は 0 でない(2 桁の数 AB なら A ≠ 0)
2 桁 + 2 桁 = 3 桁 の百の位を 1 か 2 で迷う必ず 1(最大 99 + 98 = 197)
5 進法の数に 5 や 6 を書く使える数字は 0〜N − 1
N 進法どうしを 10 進法の筆算でそのまま足す10 進法に直すか、「N でくり上げ」の筆算にする
「k 桁」を N^k 以上と読むN^(k−1) 以上 N^k 未満(k = 3 なら N² 以上 N³ 未満)

5. 解き方の型

  1. 覆面算:最上位のくり上がり → 一の位 → 同じ文字の倍数の形、の順に見る
  2. 桁の入れかえは 10a + b の式にして、和は 11 の倍数・差は 9 の倍数(3 桁は 99 の倍数)を使う
  3. 虫食い算:かけ算は一の位から、割り算は部分積の桁数から。候補が 2〜3 個になったら全部試す
  4. 記数法:10 進法を経由する。位取りは右から 1、N、N²
  5. 桁数は「N^(k−1) 以上 N^k 未満」、末尾の 0 は「N で何回割れるか」

6. 小テストへ

→ 小テスト(zs-21

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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