地方上級 / 判断推理 / zs-04
順序関係(順位・時間・数直線)
この単元でできるようになること
- 「A は B より上位」「C と D の間には 2 人」という条件を、1 位から順に並べた枠に入れて順位を決められる
- 「B は A より 5 cm 高い」「C は B の 10 分後に着いた」という差の条件を、数直線に置いて計算できる
- 「差は 4 cm」のように向きが書かれていない条件で、両方の場合を落とさずに数え上げられる
- 順位が 1 つに決まらない問題で、「確実にいえるもの」を選べる
試験での位置づけ
順序関係は、対応関係(zs-03)と並んで判断推理の中心になる単元です。地方上級・国家一般職・市役所のいずれでもよく見かけます。出方は大きく 2 つで、「上位・下位・間に何人」だけで順位を決める型と、「何 cm 高い」「何分後」という差の数値を使う型です。前者は枠に入れる作業、後者は数直線の足し引きで、どちらも手順が決まっています。位置関係(zs-05)の「並んだ座席」は、この単元の考え方をそのまま横に使うだけです。
1. 順位だけの条件 ── 枠に入れる
まずここだけ
「同じ順位はない」という前提で、まず 1 位から最下位までの枠を書きます。条件は次の 2 種類に分けて読みます。
| 条件の形 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| A は B より上位 | A → B の矢印 | 矢印をつないで長い鎖を作る |
| A と B の間には 2 人 | A と B の距離が 3 | 「A ○ ○ B」か「B ○ ○ A」のかたまり |
| A は B のすぐ次 | 距離が 1 で向きも決まる | 「B A」のかたまり |
| A は 3 位ではない | その枠に A は入らない | 最後に候補を消す |
A〜E の 5 人。ア A は C より上位 イ C は D より上位 ウ B と D の間には 2 人 エ E は 1 位でも 5 位でもない ア・イ から A → C → D。D の上に少なくとも 2 人いるので D は 3 位以下。 ウ から (B, D) は (1, 4)・(4, 1)・(2, 5)・(5, 2) のどれか。D は 3 位以下なので (1, 4) か (2, 5)。 D が 4 位なら B は 1 位。残る 2・3・5 位に A・C・E。E は 5 位でないので A か C が 5 位になり、A → C → D に反する。 よって D は 5 位・B は 2 位。残る 1・3・4 位に A・C・E。A → C と「E は 1 位でない」から A は 1 位。C と E は 3 位・4 位のどちらか決まらない。
確実にいえるのは「A は 1 位」「B は 2 位」「D は 5 位」で、C・E についての順位は確実ではありません。
ここまでできれば十分
手順は次のとおりです。
- 「上位・下位」の条件を矢印にして、できるだけ長い鎖を作る(A → C → D のように)
- 「間に n 人」「すぐ次」の条件はかたまりとして書く。向きが不明なら 2 通り
- 鎖の長さから「この人は○位以下」「○位以上」を出し、かたまりの置ける場所を絞る
- 場合が 2〜3 通り残ったら、それぞれ枠を埋めて矛盾が出るものを消す
- 残った並びをすべて書き出し、共通して成り立つことだけを「確実」とする
「間に 2 人」と「2 つ上(下)」は違います。「間に 2 人」は差が 3、「2 つ上」は差が 2です。枠を書くときに ○ の数で確かめてください。
もう一歩(発展)
人数が 6 人以上になると、場合分けが増えます。そのときは、いちばん制約の強いかたまり(「間に 3 人」のような、置ける場所が 2 か所しかないもの)から置くと、残りが早く決まります。また「X は Y のすぐ次」と「X は Y より上位」が両方あるときは、後者は前者に含まれているので、鎖を作るときに二重に数えないようにします。
2. 差の条件 ── 数直線に置く
まずここだけ
「B は A より 5 cm 高い」のように差の数値があるときは、順位の枠ではなく数直線を使います。誰か 1 人を 0 と置き、条件のとおりに足し引きします。
B は A より 12 cm 高く、C は B より 10 cm 低く、D は C より 8 cm 高い。最も高い人と最も低い人の差は? A = 0 と置く。B = +12、C = 12 − 10 = +2、D = 2 + 8 = +10。 最も高いのは B(12)、最も低いのは A(0)。差は 12 cm。
基準にする人は、条件の中でいちばん多く出てくる人にすると計算が短くなります。
ここまでできれば十分
時刻の問題も同じです。「早い」をマイナス、「遅い」をプラスにそろえます。
B は A の 10 分後に着き、C は B の 15 分前に着き、D は C の 8 分後に着いた。着いた順は? A = 0。B = +10、C = 10 − 15 = −5、D = −5 + 8 = +3。 小さい順に C(−5)・A(0)・D(+3)・B(+10)。
「C は B の 15 分前」を「A の 15 分前」と読み違えるのが典型的なミスです。いつも直前に出てきた人を基準に足し引きしてください。
数直線に置いたあとで「高いほうから 3 番目は誰か」と問われたら、値を大きい順に並べ直すだけです。
もう一歩(発展)
「A と B の差は 4 cm」のように向きが書かれていない条件は、B = +4 と B = −4 の両方を考えます。条件が 2 つあれば 2 × 2 = 4 通り、3 つあれば 8 通りです。
A と B の差は 4 cm、B と C の差は 6 cm、C は D より 3 cm 高い。A と D の差として考えられないものは? A = 0。B = ±4、C = B ± 6、D = C − 3。 (B, C, D) = (4, 10, 7)・(4, −2, −5)・(−4, 2, −1)・(−4, −10, −13) の 4 通り。 A と D の差は 7・5・1・13 cm。9 cm はどの場合にもならない。
「A は 4 人の中で最も高い」のような条件が加わると、場合が消えて 1 通りに決まることがあります。まず全部の場合を書き出し、そのあとで条件に合わないものを消すのが安全です。
3. 「考えられる値をすべて」── 一直線上の距離
まずここだけ
一直線上にある 3 地点の距離も、数直線の問題です。
一直線の道路沿いに A・B・C の家がある。A と B は 6 km、B と C は 2 km 離れている。A と C の距離は? B = 0。A = ±6、C = ±2。 A と C が B の反対側なら 6 + 2 = 8 km、同じ側なら 6 − 2 = 4 km。 答えは 4 km または 8 km。
「○ km のみ」という選択肢は、向きの一方しか考えていないときに選んでしまう誤答です。
ここまでできれば十分
4 地点以上になっても、基準を 1 つ決めて ± を書き出す手順は同じです。「A は B より東」のように向きが与えられていれば、その条件で場合が減ります。地図に見えても、直線上なら数直線で処理できます。
4. よくある間違い
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 「間に 2 人」を差 2 として枠に入れる | 間に 2 人 = 差 3(A ○ ○ B)。「2 つ上」が差 2 |
| 「A は B より上位」を B → A と書く | 矢印は上位 → 下位で統一する |
| 「C は B の 15 分前」を A から数える | 直前の人(B)を基準に足し引きする |
| 「差は 4 cm」を「4 cm 高い」と決めつける | ± の両方を書き出す |
| 1 通り見つかった時点で答える | 他の並びがないか最後まで確かめる。「確実にいえる」は全部の並びで成り立つもの |
5. 解き方の型
- 差の数値があるか見る。なければ枠、あれば数直線
- 枠:矢印の鎖 → かたまり → 「○位ではない」の順に使う。場合が残れば全部書き出す
- 数直線:1 人を 0 に置き、直前の人を基準に足し引き。向き不明の条件は ± 両方
- 問われているもの(順位・差・順番)を、書き出した結果から読み取る
- 「確実にいえる」問題は、すべての場合で成り立つ選択肢だけを選ぶ
6. 小テストへ
→ 小テスト(zs-04)
関連する単元
- 前提:zs-03 対応関係(表で消していく手順)
- 次に進む:zs-05 位置関係(座席・円卓・方位)
- 同じ考え方を使う:zs-07 発言の真偽(順位についての発言)、zs-14 速さ(数直線上の移動)
参考資料
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」── 基礎能力試験の出題分野(数的処理)
- 各都道府県・政令指定都市の職員採用試験受験案内(教養試験の出題分野)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/suteki/zs-04/ / 更新 2026-09-14