地方上級 / 判断推理 / zs-07
発言の真偽(うそつき問題)
この単元でできるようになること
- 「本当のことを言っている人は 1 人だけ」型の問題を、犯人(正直者)を仮定して表で確かめる手順で解ける
- 「正直者は常に本当・うそつきは常にうそ」型の問題で、矛盾が出る仮定を消していくやり方ができる
- 「2 つの発言のうち一方だけが本当」(半分うそ)型を、順位や役割の表に落として解ける
- 発言の中に「〜はうそをついている」が入っている(発言についての発言)ときの読みかえができる
試験での位置づけ
判断推理の中でも、うそつき問題は公式がいらない代わりに手順の速さがすべてという単元です。地方上級・国家一般職・市役所のいずれでもよく見かけますし、対応関係(zs-03)や順序関係(zs-04)の問題の中に「ただし 1 人だけうそをついている」という条件がまざる形でも出ます。解き方は結局「仮定して、矛盾が出たら捨てる」の 1 つだけなので、ここで型を身につけておくと判断推理全体の見通しがよくなります。
1. 基本の型 ── 「本当のことを言っているのは 1 人だけ」
まずここだけ
いちばん多いのがこの形です。
A・B・C・D の 4 人のうち 1 人が花びんを割った。4 人は次のように言ったが、本当のことを言っているのは 1 人だけである。割ったのは誰か。 A「B が割った」 B「D が割った」 C「私は割っていない」 D「B はうそをついている」
考え方は 1 つだけです。犯人を A・B・C・D と順に仮定し、それぞれの発言が本当かうそかを表にする。本当の数が「ちょうど 1」になる列だけが答えです。
| 犯人の仮定 | A「B だ」 | B「D だ」 | C「私ではない」 | D「B はうそ」 | 本当の数 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | × | × | ○ | ○ | 2 |
| B | ○ | × | ○ | ○ | 3 |
| C | × | × | × | ○ | 1 |
| D | × | ○ | ○ | × | 2 |
答えは C。4 人なら表は 4 行、5 人なら 5 行で終わります。
ここまでできれば十分
「〜はうそをついている」という発言は、その相手の発言を裏返して読みます。D の「B はうそをついている」は「D が割ったのではない」と同じ意味です。表を作る前に、こうした発言を犯人についての直接の発言に書きかえておくと、表の記入がぶれません。
- 「B はうそをついている」= B の発言の否定
- 「B は本当のことを言っている」= B の発言そのまま
同じ手順で「うそをついているのは 1 人だけ」(本当が n−1 人)の問題も解けます。数える対象を「うそ」に変えるだけです。
もう一歩(発展)
「犯人はうそをつき、犯人でない人は本当のことを言う」という条件つきの問題は、うその数が 1 で、しかもうそをついた人=仮定した犯人になっている行だけが答えです。数だけでなく「誰が」うそをついたかも見てください。
A「B が犯人だ」 B「私は犯人ではない」 C「A が犯人だ」(犯人だけがうそ) A を犯人と仮定:A の発言はうそ(B は犯人でない)、B は本当、C は本当 → うそをついたのは A だけ = 犯人 ○ B を仮定:A は本当、B はうそ、C「A が犯人」はうそなのに C は犯人でない → ×
2. 正直者とうそつき ── 「常に本当」「常にうそ」
まずここだけ
「正直者は常に本当のことを言い、うそつきは常にうそをつく」という村の問題です。それぞれの人を正直者と仮定して、発言の中身と食いちがわないかを見るのが基本です。
A「B はうそつきだ」 B「C はうそつきだ」 C「A も B もうそつきだ」(正直者は 1 人だけ) A を正直者と仮定 → B はうそつき → B の発言「C はうそつき」はうそ → C は正直者。正直者が 2 人になって矛盾 × B を正直者と仮定 → C はうそつき → C の「A も B もうそつき」はうそ → 少なくとも一方は正直者(B が正直者なので合う)。A はうそつき → A の「B はうそつき」はうそ → 合う ○ 答え:正直者は B
ここまでできれば十分
次の 2 つは、考える前に結論が決まります。覚えておくと表がいっぺんに小さくなります。
- 「私は正直者だ」という発言は、誰が言っても本当になる(正直者が言えば本当、うそつきが言ってもうその発言として成立)。この発言からは何も分からない
- 「私はうそつきだ」という発言は、誰も言えない(正直者が言えばうそになり、うそつきが言えば本当になる)。この発言をした人がいる設定は矛盾している
また、A「B はうそつきだ」のように相手の性質だけを言う発言は、「A と B は異なる種類(一方が正直者で他方がうそつき)」という情報に置きかえられます。「B は正直者だ」なら「A と B は同じ種類」です。発言をこの「同じ/異なる」の関係に直してから人数の条件と合わせると、仮定の数が減ります。
もう一歩(発展)
円卓に n 人が座り、全員が「私の両隣はどちらもうそつきだ」と言う型があります。正直者の両隣はどちらもうそつき(発言が本当なので)で、うそつきの両隣は「少なくとも一方が正直者」です。したがって正直者は隣り合わず、正直者の数は最大でも n の半分(n が奇数なら (n−1)/2)です。全員がうそつきという仮定は、うそつきの発言が本当になって矛盾するので、正直者は 1 人以上います。
3. 半分うそ ── 「2 つの発言のうち一方だけが本当」
まずここだけ
順位や役割の問題で、「各自の 2 つの発言のうち一方は本当で一方はうそ」という条件がつく型です。
かけっこの結果について、A「私は 2 位」「C は 1 位」 B「私は 2 位」「A は 1 位」 C「私は 3 位」「B は 2 位」と言った。各自の発言は一方が本当で一方がうそである。順位はどうなるか。
解き方は、誰か 1 人の第 1 の発言を本当と仮定して、連鎖させることです。分岐は「本当」と「うそ」の 2 通りしかありません。
- A「私は 2 位」が本当と仮定 → A「C は 1 位」はうそ → A が 2 位で C は 1 位でないので、C は 3 位、B は 1 位 → B の発言を確かめると「私は 2 位」×「A は 1 位」× で両方うそ。条件に合わないのでこの仮定は捨てる
- A「私は 2 位」がうそ → A「C は 1 位」が本当 → C が 1 位 → B「A は 1 位」はうそ(1 位は C)→ B「私は 2 位」が本当 → B は 2 位、残った A は 3 位 → C の発言は「私は 3 位」×「B は 2 位」○ で一方だけ本当 ○
答えは 1 位 C・2 位 B・3 位 A。最後に全員の発言が「一方だけ本当」になっていることを確かめてから答えます。
ここまでできれば十分
半分うそ型で速いのは、順位表を先に用意して ○× を埋めるやり方です。
- 3 人 × 3 順位の表を書く
- 「A『私は 2 位』が本当」の列に ○ を入れ、同じ行・同じ列の他のマスに × を入れる
- 発言の相方をうそにして表を埋め、行または列がすべて × になったらその仮定を捨てる
仮定は「第 1 の発言が本当」と「うそ」の 2 通りだけなので、表は最大 2 枚で終わります。試験の問題は 1 通りに決まるように作られているので、2 通り残ったら見落とし、0 通りなら記入ミスと考えて、表を書き直してください。
もう一歩(発展)
4 人以上で半分うそ型になると分岐が増えます。そのときは同じ人物について 2 人以上が発言しているところから手をつけると早く決まります。たとえば A「B は 1 位」と C「B は 1 位」が両方あれば、この 2 つの発言は同時に本当か同時にうそなので、A と C のもう一方の発言もそろって決まります。
4. よくある間違い
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 「本当は 1 人だけ」を、うその数で数えてしまう | 数える対象(本当かうそか)を問題文で確かめ、表の右端の列に書く |
| 「B はうそをついている」を「B が犯人だ」と読む | B の発言の否定。B の発言が「D だ」なら「D ではない」 |
| 「私は正直者だ」から正直者だと決める | 誰が言っても成り立つ発言。何も決まらない |
| 半分うそ型で、片方の発言だけ確かめて終える | 相方の発言がうそになっていることまで確かめる |
| 表の途中で答えらしい行が出たら止める | 最後の行まで埋める。2 行残れば見落とし、0 行なら読みまちがい |
5. 解き方の型
- 発言を「誰が犯人か(誰が何位か)」の形に書きかえる。「〜はうそをついている」は相手の発言の否定に直す
- 仮定を並べる(犯人 4 人なら 4 行、正直者 3 人なら 3 行、半分うそなら第 1 発言の本当/うそ 2 通り)
- 各仮定で発言ごとに ○× を記入し、条件(本当は 1 人/正直者は 1 人/一方だけ本当)に合わない行を捨てる
- 残った行が 1 つなら答え。2 つ以上なら読み落とし、0 なら記入ミスを疑う
6. 小テストへ
→ 小テスト(zs-07)
関連する単元
参考資料
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」── 基礎能力試験の出題分野(数的処理)
- 各都道府県・政令指定都市の職員採用試験受験案内(教養試験の出題分野)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/suteki/zs-07/ / 更新 2026-09-14