地方上級 / 判断推理 / zs-02

更新 2026-09-14

集合とベン図(3 つの集合・人数の最大最小)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

集合の問題は、地方上級・国家一般職・市役所のいずれでもよく見かける単元です。「アンケートの結果、A と答えた人が○人、B と答えた人が○人……。A も B も C も選ばなかった人は何人か」という形が中心で、数え方さえ決まれば計算は足し算と引き算だけです。命題と論理(zs-01)で学んだ「かつ」「または」「〜でない」の読みかえが、そのままベン図の部分に対応します。ここを丁寧にやっておくと、資料解釈(zs-22)の構成比の読み取りにもつながります。


1. 2 つの集合 ── ベン図の 4 つの部分

まずここだけ

集合が 2 つ(A と B)のとき、全体は次の 4 つの部分に分かれます。

部分意味
A だけA に入り、B に入らない
両方A にも B にも入る(A かつ B)
B だけB に入り、A に入らない
どちらでもないA にも B にも入らない

問題文に出てくる数は、たいてい「A の人数」「B の人数」のように重なりを含んだ数です。そこで、いちばん内側の「両方」から順に埋めていきます。

40 人のクラスで、犬を飼っている人が 18 人、猫を飼っている人が 12 人、両方飼っている人が 5 人。どちらも飼っていない人は何人か。 犬だけ = 18 − 5 = 13、猫だけ = 12 − 5 = 7。 どちらでもない = 40 − (13 + 5 + 7) = 15 人

式で書くと 「A または B」の人数 = A + B − 両方 です。足しただけでは重なりを 2 回数えてしまうので、1 回分を引きます。

ここまでできれば十分

言葉とベン図の対応を固めておきます。

「A だけ」を求めるときに「A の人数」をそのまま使ってしまうのが、いちばん多い失敗です。問題文の「A の人数」は「A だけ」ではないと、読むたびに確かめてください。

もう一歩(発展)

「A でない」「B でない」の組み合わせも、ベン図で見ると迷いません。「A でなく、かつ B でない」は「どちらでもない」の 1 か所、「A でない、または B でない」は「両方」以外の 3 か所です。ド・モルガンの法則(zs-01)が、ベン図では「真ん中の補集合」として見えます。


2. 3 つの集合 ── 8 つの部分を内側から埋める

まずここだけ

集合が 3 つになると、ベン図は 8 つの部分(3 つの円の内側 7 か所 + 外側 1 か所)に分かれます。埋める順番は 2 つのときと同じで、いちばん内側(3 つとも)→ 2 つの重なり → 1 つだけ → 外側 です。

50 人に、新聞 X・Y・Z を読んでいるかを聞いた。X が 25 人、Y が 20 人、Z が 18 人、X と Y の両方が 9 人、Y と Z の両方が 7 人、X と Z の両方が 8 人、3 紙とも読む人が 4 人。どの新聞も読まない人は何人か。 X と Y だけ = 9 − 4 = 5、Y と Z だけ = 7 − 4 = 3、X と Z だけ = 8 − 4 = 4 X だけ = 25 − (5 + 4 + 4) = 12、Y だけ = 20 − (5 + 3 + 4) = 8、Z だけ = 18 − (3 + 4 + 4) = 7 3 紙のどれかを読む人 = 12 + 8 + 7 + 5 + 3 + 4 + 4 = 43 どれも読まない = 50 − 43 = 7 人

「X と Y の両方が 9 人」は、3 紙とも読む 4 人を含んだ数です。「X と Y だけ」に直すとき 4 を引くのを忘れないでください。

ここまでできれば十分

7 か所を全部埋めなくても答えが出る式があります。

A または B または C = A + B + C − (A∩B) − (B∩C) − (C∩A) + (A∩B∩C)

上の例なら 25 + 20 + 18 − 9 − 7 − 8 + 4 = 43 で同じ答えになります。2 つずつの重なりを引くと真ん中を 3 回引いてしまうので、最後に 1 回足し戻す、という式です。

ただし、試験では「1 つだけ当てはまる人数」「ちょうど 2 つ当てはまる人数」を問われることが多く、そのときはベン図を埋めたほうが確実です。

もう一歩(発展)

「ちょうど 2 つ」の人数が与えられて、「3 つとも」の人数を求める型があります。真ん中を x と置いてベン図に書き込むと、1 つだけの合計・ちょうど 2 つの合計・3 つともの 3 つの量で方程式が立ちます。

全体 n 人のうち、A・B・C のどれにも当てはまらない人が z 人。A が a 人、B が b 人、C が c 人、ちょうど 2 つ当てはまる人が e 人。3 つとも当てはまる人は何人か。 どれかに当てはまる人 = n − z = (1 つだけ) + e + x a + b + c = (1 つだけ) + 2e + 3x(A・B・C を足すと、2 つの部分は 2 回、真ん中は 3 回数えられる) 下の式から上の式を引くと a + b + c − (n − z) = e + 2x となり、x が求まる。

「A・B・C を足すと、重なりは重なった数だけ数えられる」という見方を持っていると、この型は 1 本の式で片づきます。


3. 人数の最大・最小 ── 決まりきらないときの考え方

まずここだけ

重なりの人数が問題文にないときは、人数は 1 つに決まりません。そこで最大と最小を問われます。

40 人のクラスで、犬を飼っている人が 18 人、猫を飼っている人が 12 人。両方飼っている人は最も多くて何人か。最も少なくて何人か。 最大:猫を飼っている 12 人が全員犬も飼っているとき → 12 人(小さいほうの集合の人数) 最小:18 + 12 = 30 は 40 を超えないので、重なりが 0 でも収まる → 0 人

もし犬 28 人・猫 20 人なら、28 + 20 = 48 で全体 40 をはみ出す 8 人分は、重なりにするしかありません。よって最小は 8 人です。

両方の最小 = A + B − 全体(負なら 0)  両方の最大 = A と B の小さいほう

ここまでできれば十分

3 つの集合で「3 つとも当てはまる人の最小」を問われたら、2 つずつ順に考えます。

100 人のうち、A が 80 人、B が 70 人、C が 90 人。3 つとも当てはまる人は最も少なくて何人か。 A と B の両方の最小 = 80 + 70 − 100 = 50 人 その 50 人と C 90 人の重なりの最小 = 50 + 90 − 100 = 40 人

これは 1 本にまとめると A + B + C − 2 × 全体(負なら 0)です。「はみ出した分は重なるしかない」という考え方を、集合の数だけくり返しているだけです。

もう一歩(発展)

「A だけ」の最大・最小や「どちらでもない」の最大・最小も、重なりの最大・最小から求まります。

「どこを動かすと、どこが増えるか」をベン図で追う癖をつけてください。最大・最小の問題は、片方の端に寄せて考える(重なりを 0 にする/小さいほうを全部重ねる)のが型です。


4. よくある間違い

間違い正しくは
「A の人数」を「A だけ」として使うA の人数は重なりを含む。A だけ = A − 両方(3 つなら 3 か所を引く)
「A と B の両方」から「3 つとも」を引き忘れる「A と B だけ」= (A と B の両方) − (3 つとも)
A または B = A + B としてしまう重なりを 1 回引く。A + B − 両方
両方の最小を 0 と決めつけるA + B が全体を超えていれば、超えた分が最小
「ちょうど 2 つ」と「2 つ以上」を混同する2 つ以上 = ちょうど 2 つ + 3 つとも

5. 解き方の型

  1. 集合の数を確かめ、ベン図を描く(2 つなら 4 部分、3 つなら 8 部分)
  2. 問題文の数を「重なりを含む数」か「〜だけの数」かに分けて印をつける
  3. いちばん内側から外側へ順に埋める。わからない部分は x と置く
  4. 問われている部分(少なくとも一方・1 つだけ・どれでもない)をベン図で指してから足す
  5. 決まらないときは、重なりを 0 にする/小さい集合を全部重ねる、の両端で最小と最大を出す

6. 小テストへ

→ 小テスト(zs-02

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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