地方上級 / 数的推理 / zs-14

更新 2026-09-14

速さ(旅人算・通過算・流水算・時計算)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

速さは数的推理の中でも出題されやすいテーマで、地方上級・国家一般職とも、旅人算か流水算か通過算のどれかが 1 問入ることがよくあります。計算そのものは中学の範囲ですが、「何と何が等しいか」を見つける読み取りで差がつきます。zs-13 の割合・比と組み合わせて「速さの比 → 時間の比は逆比」の形で出ることも多いので、比の感覚も一緒に使えるようにしておくと処理が速くなります。


1. 基本の式と単位そろえ

まずここだけ

距離 = 速さ × 時間  速さ = 距離 ÷ 時間  時間 = 距離 ÷ 速さ

計算を始める前に、単位をそろえるのが最初の仕事です。

「時速 4 km で 45 分歩く」なら、45 分 = 3/4 時間 として 4 × 3/4 = 3 km。時間を分のまま掛けないように気をつけます。

ここまでできれば十分

往復の平均の速さは、速さをたして 2 で割ってはいけません。

行き時速 4 km、帰り時速 6 km で片道 12 km を往復。 行き 3 時間、帰り 2 時間、合計 5 時間で 24 km → 平均 = 24 ÷ 5 = 時速 4.8 km(5 km ではない)

一般には 2ab/(a + b) になります(距離は消えるので、距離が書かれていなくても求まります)。

速さの比と時間の比は逆比:同じ距離を進むとき、速さが 3 : 2 なら時間は 2 : 3。「予定より 10 分遅れた/早く着いた」という問題は、この逆比か、「距離が同じ」ことを式にして解きます。

家から駅まで、分速 60 m で歩くと発車の 5 分後に着き、分速 100 m で走ると発車の 3 分前に着く。距離は? 時間の差は 8 分。距離を x m とすると x/60 − x/100 = 8 → x(5 − 3)/300 = 8 → x = 1,200 m


2. 旅人算 ── 速さの和と差

まずここだけ

2 人が動くときは、1 人ずつ追わず、2 人の間の距離が 1 分にどれだけ変わるかだけを見ます。

1,200 m 離れた A(分速 80 m)と B(分速 70 m)が向かい合って出発。 1 分に 150 m 近づく → 1,200 ÷ 150 = 8 分後に出会う

弟(分速 60 m)が出発して 12 分後に兄(分速 240 m)が追いかける。 兄が出た時点の差 = 60 × 12 = 720 m。1 分に 180 m 縮む → 720 ÷ 180 = 4 分後、家から 240 × 4 = 960 m の地点

ここまでできれば十分

池のまわり(円周)を回る問題は、出発点が同じなら「反対向き → 1 周分の距離を速さの和で」「同じ向き → 1 周分の差がつくまでを速さの差で」と読みかえます。

周囲 1,800 m の池を A と B が同地点から出発。反対向きなら 12 分ごとに出会い、同じ向きなら 60 分ごとに A が B を追い抜く。 速さの和 = 1,800 ÷ 12 = 150、速さの差 = 1,800 ÷ 60 = 30 → A = (150 + 30) ÷ 2 = 分速 90 m、B = 60 m

「和と差がわかれば 2 つの数が出る」(和差算)は、この単元の中で何度も使います。

もう一歩(発展)

2 人が向かい合って出発し、出会ったあとも進み続けてそれぞれの目的地で折り返し、2 回目に出会う問題は、「1 回目の出会いまでに 2 人合わせて片道 1 本分の距離、2 回目までに片道 3 本分」と数えます。1 回目までの時間の 3 倍が 2 回目の時刻です。図をかいて「2 人合わせて何 m 進んだか」を追うのが確実です。


3. 通過算 ── 列車には長さがある

まずここだけ

列車が橋やトンネルを「通過する」とき、先頭が入ってから最後尾が出るまでに先頭が進む距離は

橋の長さ + 列車の長さ

です。電柱や人の前を通り過ぎるときは「列車の長さ」だけ進みます。

長さ 120 m の列車が秒速 20 m で長さ 480 m の鉄橋を渡る。 (480 + 120) ÷ 20 = 30 秒

ここまでできれば十分

2 本の列車のすれ違い・追い越しは、旅人算と同じで、進む距離が「2 本の長さの和」になります。

橋とトンネルの 2 つの情報から列車の長さを出す問題は、差をとります。

鉄橋 300 m を 21 秒、トンネル 780 m を 45 秒で通過する列車。 長さの差 480 m を 24 秒で進む → 秒速 20 m。鉄橋の式 20 × 21 = 420 = 300 + 列車 → 列車 = 120 m


4. 流水算 ── 上りと下りの 2 本の式

まずここだけ

川の流れの速さを「流速」、流れがないときの船の速さを「静水時の速さ」と呼びます。

下りの速さ = 静水時 + 流速  上りの速さ = 静水時 − 流速

逆にすると

静水時 = (下り + 上り) ÷ 2  流速 = (下り − 上り) ÷ 2

24 km を上るのに 3 時間、下るのに 2 時間。 上り = 8 km/時、下り = 12 km/時 → 静水時 = 10 km/時、流速 = 2 km/時

ここまでできれば十分

「静水時の速さを 2 倍にしたら」「途中でエンジンが止まって流された」という条件がつくと、上り・下りの速さをその場面ごとに作り直すだけです。エンジンが止まっている間は、船は流速でそのまま下流へ流されます。

12 km を下るのに 2 時間、上るのに 3 時間かかる船が、静水時の速さを 2 倍にして上ると何分かかるか。 下り 6、上り 4 → 静水時 5、流速 1。2 倍なら静水時 10、上り = 9 km/時 → 12 ÷ 9 = 4/3 時間 = 80 分


5. 時計算 ── 針の速さは 6° と 0.5°

まずここだけ

「h 時ちょうど」の 2 本の針の角度は 30 × h 度(短針が先)。ここから長針が 5.5°/分 で追いつくと考えます。

3 時と 4 時の間で針が重なる時刻。 3 時の差 = 90°。90 ÷ 5.5 = 180/11 = 16 と 4/11 分 → 3 時 16 と 4/11 分

答えが分数になるのがこの単元の特徴です。5.5 で割る計算は、÷ 5.5 = × 2/11 と覚えると速くなります。

ここまでできれば十分

「一直線になる(180°)」「直角になる(90°)」は、目標の角度の差を作ります。

8 時と 9 時の間で最初に一直線になるのは? 8 時の差 240°。(240 − 180) ÷ 5.5 = 60 × 2/11 = 120/11 分(8 時 10 と 10/11 分)


6. よくある間違い

間違い正しくは
往復の平均を (4 + 6) ÷ 2 = 5総距離 ÷ 総時間。2ab/(a + b) = 4.8
時速 4 km で 45 分 → 4 × 4545 分 = 3/4 時間。4 × 3/4 = 3 km
橋を渡る距離を橋の長さだけにする橋 + 列車の長さ
流速を「下り − 上り」にする(下り − 上り) ÷ 2
時計の差を 6°/分 で割る短針も動くので 5.5°/分
8 時台の一直線を (240 + 180) ÷ 5.5差が 180° より大きいときは (240 − 180) ÷ 5.5

7. 解き方の型

  1. 単位をそろえる(km と m、時と分と秒)。時速 km ⇄ 秒速 m は 3.6
  2. 「等しい量」に線を引く(同じ距離・同じ時間・出会う瞬間の距離の和)
  3. 2 人以上なら「1 分に何 m 近づくか」(和か差)だけを見る
  4. 通過算は「橋 + 列車」、流水算は「上り・下りの 2 本」、時計算は「30h° を 5.5°/分 で」
  5. 答えが出たら、逆に時間 × 速さで距離に戻して検算する

8. 小テストへ

→ 小テスト(zs-14

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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