地方上級 / 判断推理 / zs-10

更新 2026-09-14

空間図形(展開図・サイコロ・立体の切断・投影図)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

空間図形は判断推理の中でもっとも「慣れ」の差が出る単元です。地方上級・国家一般職とも、展開図とサイコロ、立方体の切断、積み木の個数は出題されやすい形です。頭の中で立体を回すのが得意でなくても、展開図を折る規則・切り口をかく規則を手順として覚えれば解けます。平面図形の構成(zs-09)で扱った「折り目を軸に写す」考え方と、立体の計量(zs-20)で扱う体積・表面積の計算がつながる単元です。


1. 展開図 ── 立方体の 11 種類と「向かい合う面」

まずここだけ

立方体の展開図 11 種類。同じ数字の面が向かい合う

立方体の展開図は全部で 11 種類です。並んだ面の数で分類すると、次のようになります。

種類数特徴
1 − 4 − 1 型64 つの面が一列に並び、その上下に 1 つずつ
1 − 3 − 2 型33 つの面の列に、上に 1 つ・下に 2 つ
2 − 2 − 2 型12 つずつが階段状
3 − 3 型13 つずつが階段状

展開図で向かい合う面を見つける規則は 2 つです。

  1. 一列に並んだ面は、1 つおきに向かい合う(4 つ並んでいれば 1 番目と 3 番目、2 番目と 4 番目)
  2. 「コの字」に並んだ 3 面(階段状に 1 つずれた面)は、両端どうしが向かい合う

この 2 つで、11 種類すべての向かい合う面が決まります。向かい合う面が分かれば、残りの面は「となり合う面」です。

ここまでできれば十分

展開図に模様や文字がある問題では、となり合う面の「どの辺とどの辺がくっつくか」を追います。展開図の外周で、90° に折れている 2 辺(凹んだ角の両側)は組み立てると重なるので、そこから順に「くっつく辺」に同じ印をつけると間違えません。

面の向きを問う問題(矢印がどちらを向くか等)は、面を転がして移動させる方法が使えます。展開図の中で、ある面を辺を軸に 90° 回転させて隣に移す操作をくり返し、比べたい 2 つの面を隣り合わせにしてから向きを見ます。面を 1 つとなりに転がすと、面の模様はその軸の辺を固定して回るので、模様の向きが変わることに注意します。

もう一歩(発展)

正四面体(面 4)・正八面体(面 8)の展開図も出題されます。正八面体の展開図では、一列に並んだ 4 つの正三角形のうち、1 番目と 4 番目が向かい合う(交互に上下を向く三角形の列で、1 つおきではなく 3 つ先)ことが立方体と違う点です。


2. サイコロ ── 「和は 7」と「回り方」

まずここだけ

サイコロの 3 面図(上 1・手前 2・右 3)とその鏡像、目を入れた展開図

一般的なサイコロは、向かい合う面の目の和が 7です(1 と 6、2 と 5、3 と 4)。だから、見えている 3 面が分かれば、見えていない 3 面はすぐ決まります。

上の面が 3、手前の面が 2、右の面が 6 のとき、底の面は 4、奥の面は 5、左の面は 1。

ここまでできれば十分

「和は 7」だけでは、1・2・3 の並び方(回り方)が決まりません。1 つの頂点に 1・2・3 が集まっているサイコロは、1 を上にして見たとき 2 → 3 が反時計回りに並ぶものと、時計回りに並ぶものの 2 種類(鏡像)があります。問題文に「図のようなサイコロ」と 1 つの見本があれば、見本と同じ回り方になるように面を決めます。

見本:上 1、手前 2、右 3。このサイコロを手前に 1 回転がす(手前の面が底になる)。 転がしても回り方は変わらない。新しい上は 5(もとの奥)、手前は 1(もとの上)、右は 3 のまま。

転がしの規則:ある方向へ 1 回転がすと、その方向にある面が底になり、上だった面がその方向の面になります。左右の面(回転の軸の面)は変わりません。同じ方向に 4 回転がすと元に戻ります。

複数のサイコロを並べる問題(接している面の和が決まっている等)は、和が 7 の関係と「接している面はどれか」を表にして、候補を絞ります。

もう一歩(発展)

サイコロを直線上に転がして上の面の目の合計を問う問題は、4 回で 1 周する周期を使います。手前に転がし続けるとき、上に来る面は「上 → 奥 → 底 → 手前 → 上」の順で、左右の面は永久に上に来ません。


3. 立体の切断 ── 切り口をかく 2 つの規則

まずここだけ

立方体の切り口の例:正三角形・長方形・正六角形

立方体を 3 点を通る平面で切ったときの切り口は、次の 2 つの規則だけでかけます。

  1. 同じ面の上にある 2 点は、そのまま直線で結ぶ
  2. 向かい合う(平行な)面にできる切り口の線は、平行になる

この 2 つで足りないときは、面を延長して交点を作ってから結びます(延長した面の上で規則 1 を使う)。

ここまでできれば十分

立方体の切り口としてできる形とできない形を知っておくと、選択肢が減ります。

できるできない
正三角形・二等辺三角形・不等辺三角形直角三角形・鈍角三角形
正方形・長方形・平行四辺形・ひし形・台形──
五角形(平行な辺の組が 2 組ある)正五角形
正六角形(各辺の中点を通る)・六角形七角形以上

直角三角形にならないのは、切り口の三角形の 3 辺がそれぞれ立方体の面の対角線の一部で、どの角も 90° 未満になるからです。七角形以上にならないのは、立方体の面が 6 つしかなく、切り口の辺は 1 つの面に 1 本しかできないからです。

1 辺 6 cm の立方体を、3 つの辺の中点を通る平面(1 つの頂点のまわりの 3 辺の中点)で切る。 切り口は 1 辺 3√2 cm の正三角形。切り落とされる立体は三角錐で、体積は 3 × 3 × 3 ÷ 6 = 4.5 cm³。

もう一歩(発展)

切断後の体積・表面積は、立体の計量(zs-20)で扱います。判断推理では「切り口の形」「切った後の立体の面・頂点・辺の数」「2 つに分けた立体の体積比」までがよく問われます。体積比は、切り落とす立体が三角錐なら「底面積 × 高さ ÷ 3」で速く出ます。


4. 投影図と積み木 ── 真上から見た図に段数を書く

まずここだけ

投影図は、立体を正面(立面図)・真上(平面図)・横(側面図)から見た図です。積み上げた立方体の個数を問う問題は、真上から見た図の各マスに、その位置に積まれている段数を書き込むと数えられます。

正面から見ると 3 列で高さが左から 3・1・2、右から見ると 2 列で高さが手前から 2・3。真上から見ると 3 × 2 のマスがすべて埋まっている。 各マスの段数は「その列の正面の高さ」と「その行の横の高さ」の小さい方以下。最大個数は各マスに小さい方を入れて足す:(2+1+2) + (3+1+2) = 11 個。

ここまでできれば十分

最少何個で作れるか」を問われたら、各列・各行の最大値を 1 か所だけで満たせばよいので、それ以外のマスを 1 段(真上から見て埋まっている必要がある場合)または 0 段にします。「最多」なら、各マスを正面・横それぞれの高さの小さい方にします。最少と最多の両方を出す練習をしておくと、どちらが問われても対応できます。

表面積を問う問題は、上下・前後・左右の 6 方向から見える面の数を数えます。上から見える面の数と下から見える面の数は同じなので、(上 + 正面 + 横)× 2 で出ます(ただし、へこんだ部分に隠れた面があれば別に足す)。


5. 正多面体と多面体定理

まずここだけ

正多面体は 5 種類だけです。

名前面の形面 f頂点 v辺 e1 頂点に集まる面
正四面体正三角形4463
正六面体(立方体)正方形68123
正八面体正三角形86124
正十二面体正五角形1220303
正二十面体正三角形2012305

どれも v − e + f = 2(オイラーの多面体定理)が成り立ちます。辺の数は「面の数 × 1 面の辺の数 ÷ 2」で出ます(1 本の辺は 2 つの面に共有されるから)。正十二面体なら 12 × 5 ÷ 2 = 30 本です。

ここまでできれば十分

立方体の頂点を切り落とす問題では、切り落とすたびに面が 1 つ増え、頂点が「1 個減って 3 個増える」、辺が 3 本増えます。8 つの頂点すべてを(切り口が重ならないように)切り落とすと、面 6 + 8 = 14、頂点 8 × 3 = 24、辺 12 + 24 = 36 で、24 − 36 + 14 = 2 が成り立ちます。


6. よくある間違い

間違い正しくは
展開図で「となり合っている面が向かい合う」と考える一列に並んだ面は 1 つおきに向かい合う
サイコロは「和が 7」だけで 1 種類に決まると思う1・2・3 の回り方で 2 種類(鏡像)ある。見本と合わせる
立方体の切り口に直角三角形や正五角形があると思う直角三角形・鈍角三角形・正五角形・七角形以上はできない
切り口をかくとき、違う面の上の 2 点を直線で結ぶ結べるのは同じ面の上の 2 点だけ。平行な面の切り口は平行
積み木の個数を「正面の高さの合計」で数える真上から見た図の各マスに段数を書いて足す。最少・最多を区別する
正八面体の頂点を 8 個と答える面が 8、頂点は 6、辺は 12。v − e + f = 2 で確かめる

7. 解き方の型

  1. 展開図は、まず型(1 − 4 − 1 など)を見て向かい合う面を決め、次に「凹んだ角の両側の辺が重なる」規則でくっつく辺に印をつける
  2. サイコロは「和が 7」で見えない面を出し、回り方は見本の 1・2・3 の並びと合わせる。転がしは「その方向の面が底になる」
  3. 切断は「同じ面の 2 点を結ぶ」→「平行な面には平行な線」→ 足りなければ面を延長、の順
  4. 積み木は真上から見た図に段数を書き込む。最少と最多を分けて数える
  5. 面・頂点・辺の数は、辺 = 面 × 1 面の辺数 ÷ 2 で出し、v − e + f = 2 で検算する

8. 小テストへ

→ 小テスト(zs-10

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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