地方上級 / 数的推理 / zs-17

更新 2026-09-14

確率

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

確率は場合の数(zs-16)の応用で、地方上級・国家一般職とも出題されやすいテーマです。数え方は場合の数と同じですが、確率では「分母と分子で同じ数え方をする」ことがすべてです。玉を「区別しない」で分母を数えたのに、分子だけ「区別する」で数えると合わなくなります。迷ったらすべて区別して(順序つきで)数えるのが安全で、確率ではその方が同様に確からしい根元事象になります。


1. 確率の基本 ── 分母と分子を同じ数え方で

まずここだけ

確率 = その場合の数 ÷ 起こりうるすべての場合の数

「すべての場合」は、どれも同じ起こりやすさになるように数えます。同じ色の玉でも、すべて別のものとして数えるのが基本です。

大小 2 個のさいころで和が 8 になる確率。 全部 6 × 6 = 36 通り。和が 8 は (2,6)(3,5)(4,4)(5,3)(6,2) の 5 通り → 5/36

さいころ 2 個は 6 × 6 の表を頭に置きます。和が 7 のとき 6 通りで最大、7 から離れるほど 1 通りずつ減ります。

ここまでできれば十分

玉の取り出し:「同時に 2 個」は組合せで分母 nC2、分子も組合せで数えます。

赤 3 個・白 2 個から同時に 2 個。2 個とも赤の確率。 分母 5C2 = 10、分子 3C2 = 3 → 3/10 順に 1 個ずつ取ると考えても 3/5 × 2/4 = 3/10 で同じ

「同時に 2 個」と「1 個ずつ戻さずに 2 個」は、確率としては同じです。計算しやすい方で数えてください。

くじ引き:引く順番で有利・不利は変わりません。10 本中当たり 3 本を A、B の順に引くと、B が当たる確率は 3/10 × 2/9 + 7/10 × 3/9 = 6/90 + 21/90 = 27/90 = 3/10(A と同じ)。「A がはずれて B が当たる」なら 7/10 × 3/9 = 7/30 です。


2. 余事象 ── 「少なくとも」は引き算

まずここだけ

P(A) = 1 − P(A が起こらない)

「少なくとも 1 つ」「1 つ以上」と書かれていたら、まず余事象を考えます。

さいころ 2 個で少なくとも 1 個が 5 以上の目。 「2 個とも 4 以下」= (4/6)² = 16/36 → 1 − 16/36 = 20/36 = 5/9

赤 3 個・白 2 個から 2 個。少なくとも 1 個が赤。 「2 個とも白」= 2C2 / 5C2 = 1/10 → 9/10

ここまでできれば十分

色が異なる」は「同じ色」の余事象、「あいこ」は「勝負がつく」の余事象で数えると速くなります。

3 人でじゃんけんを 1 回してあいこになる確率。 全部 3³ = 27 通り。勝負がつく = 出た手が 2 種類 = どの 2 種類か 3 通り × (2³ − 2) = 18 通り → あいこ = 1 − 18/27 = 1/3


3. 独立な試行と反復試行

まずここだけ

さいころを続けて投げる・コインを続けて投げるなど、前の結果が次に影響しない試行を独立といいます。独立なら確率は掛け算です。

A が的に当てる確率 3/4、B が 2/3。2 人とも当てる確率 = 3/4 × 2/3 = 1/2 少なくとも一方が当てる確率 = 1 − (1/4)(1/3) = 11/12

ここまでできれば十分

反復試行:同じ試行を n 回くり返して、確率 p の事象がちょうど r 回起こる確率は

nCr × p^r × (1 − p)^(n − r)

「どの r 回で起こるか」の選び方 nCr を掛け忘れないでください。

コインを 4 回投げて表がちょうど 2 回:4C2 × (1/2)² × (1/2)² = 6/16 = 3/8 さいころを 3 回投げて 3 の倍数の目がちょうど 1 回:3C1 × (1/3)¹ × (2/3)² = 3 × 4/27 = 4/9

もう一歩(発展)

「r 回以上」は r 回、r + 1 回、… を足すか、余事象で「r − 1 回以下」を引きます。n が小さければ全部足した方が確実です。


4. 条件付き確率と期待値

まずここだけ

条件付き確率:「B が起こったとわかったとき、A である確率」は

P(A | B) = P(A かつ B) ÷ P(B)

分母が「全体」から「B が起こった場合」に変わるだけです。

ある製品は工場 A で 60%、工場 B で 40% 作られ、不良品の割合は A が 2%、B が 5%。取り出した 1 個が不良品だったとき、A 製である確率。 P(A かつ不良) = 0.6 × 0.02 = 0.012、P(B かつ不良) = 0.4 × 0.05 = 0.020 P(A | 不良) = 0.012 ÷ (0.012 + 0.020) = 12/32 = 3/8

1,000 個作ったとして「A 製の不良 12 個、B 製の不良 20 個」と個数で表にすると、分数を扱わずに済みます。

ここまでできれば十分

期待値:値 × 確率 をすべて足したものです。

100 本のくじに 1 等 5,000 円が 1 本、2 等 500 円が 4 本、ほかははずれ。1 本引くときの賞金の期待値。 (5,000 × 1 + 500 × 4 + 0 × 95) ÷ 100 = 7,000 ÷ 100 = 70 円

賞金の合計 ÷ 本数、と覚えると速く出せます。


5. よくある間違い

間違い正しくは
分母は玉を区別せず、分子は区別して数える分母・分子とも同じ数え方。迷ったら全部区別
さいころ 2 個の「和が 8」を (2,6)(3,5)(4,4) の 3 通り大小を区別して 5 通り((4,4) は 1 通り)
「少なくとも 1 つ」を場合分けして足し、漏れる1 − 「1 つもない」
反復試行で nCr を掛け忘れる「どの回で起こるか」の選び方を掛ける
くじは先に引く方が有利だと思う順番に関係なく当たる確率は同じ
条件付き確率で分母を全体のままにする分母は「条件が起こった場合」の確率

6. 解き方の型

  1. 「すべての場合」を、どれも同じ起こりやすさになるように数える(玉・さいころは区別)
  2. 分子を同じ数え方で数える。「同時に」は組合せ、「順に」は順列や積
  3. 「少なくとも」「異なる」「あいこ」は余事象
  4. くり返しなら独立か確かめて、掛け算 + 反復試行の nCr
  5. 「〜だったとき」は条件付き確率。個数の表にして分母を条件の側に取り直す
  6. 答えは約分して、0 と 1 の間にあることを確かめる

7. 小テストへ

→ 小テスト(zs-17

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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