地方上級 / 数的推理 / zs-18

更新 2026-09-14

数列と規則性・魔方陣

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

数列と規則性は、数的推理の中で公式で片づく問題と、書き出して規則を見つける問題が半々の単元です。地方上級・国家一般職とも、等差数列の和・階差数列・群数列が出題されやすく、市役所や警察・消防では魔方陣や碁石の並びの問題も見かけます。整数の性質(zs-11)の倍数・余りと、場合の数(zs-16)の数え上げが土台になります。「数を並べて、規則を見つけ、n 番目を式にする」という流れを身につけると、判断推理の操作と手順(zs-08)や平面図形の構成(zs-09)で出てくる規則性の問題にも使えます。


1. 等差数列 ── 「初項 + 公差 × (n − 1)」と「(初項 + 末項) × 項数 ÷ 2」

まずここだけ

となりどうしの差が一定の数列が等差数列です。初項 a、公差 d のとき、

n 番目の数 = a + (n − 1)d はじめから n 番目までの和 = (初項 + 末項) × n ÷ 2

3、7、11、15、… の 20 番目は? → 3 + 19 × 4 = 79 はじめから 20 番目までの和は? → (3 + 79) × 20 ÷ 2 = 820

和の公式は「はじめと終わりを足すと、どのペアも同じ値になる」ことから出ます(3 + 79 = 7 + 75 = … = 82 が 10 組)。

ここまでできれば十分

1 から n までの和 n(n + 1)/2 と、奇数の和 1 + 3 + … + (2n − 1) = n² は覚えておくと速くなります。「100 以下の 7 の倍数の和」のような問題は、7 + 14 + … + 98 = 7 × (1 + 2 + … + 14) = 7 × 105 = 735 と、共通の因数をくくり出して計算します。

a 以上 b 以下で、c で割ると r 余る数の和」は、最初の数と最後の数と個数を出してから和の公式に入れます。個数は(末項 − 初項)÷ 公差 + 1 です。


2. 等比数列と階差数列

まずここだけ

等比数列:となりどうしの比が一定。初項 a、公比 r のとき n 番目は a × rⁿ⁻¹。和は、r ≠ 1 のとき a(rⁿ − 1)/(r − 1) です。

2、6、18、54、… の 6 番目は 2 × 3⁵ = 486、6 番目までの和は 2 × (3⁶ − 1)/(3 − 1) = 3⁶ − 1 = 728

公務員試験では、和の公式を使うより「1 つずつ足す」方が速いことも多いです(項数が 5〜6 個なら書き出す)。

階差数列:差が一定でないとき、となりどうしの差を並べると等差や等比になることがあります。

1、3、7、13、21、31、… → 差は 2、4、6、8、10(等差) n 番目 = 初項 + (差の 1 番目から n − 1 番目までの和) = 1 + (2 + 4 + … + 2(n − 1)) = 1 + n(n − 1) 10 番目 = 1 + 90 = 91

ここまでできれば十分

差をとってもそろわなければ、もう一度差をとる(第 2 階差)か、1 つとばしで見る(奇数番目と偶数番目で別の規則)か、前 2 つの和(1、1、2、3、5、8、… のフィボナッチ型)を疑います。試験に出る数列は、この 4 つのどれかで見つかることがほとんどです。

漸化式の形「次の項 = 前の項 × 2 + 1」なども、書き出せば規則が見えます(1、3、7、15、31、… = 2ⁿ − 1。ハノイの塔の手数と同じ)。

もう一歩(発展)

n 番目を式にしにくいとき、選択肢の式に n = 1、2、3 を代入して照合するのが実戦的です。3 つ合えばまず正解です。式を作る問題では、階差が等差なら 2 次式、階差の階差が一定でも 2 次式、と見当をつけて a n² + b n + c の係数を決めます。


3. 群数列 ── 「群の最後は全部で何個目か」を先に出す

まずここだけ

数列を区切り(群)で分けた問題は、第 k 群までの項数の合計を先に出すのがコツです。

1 | 2、3 | 4、5、6 | 7、8、9、10 | …(第 k 群に k 個) 第 k 群までの項数 = 1 + 2 + … + k = k(k + 1)/2 100 番目の数はどの群か? → k(k + 1)/2 ≧ 100 となる最小の k は 14(14 × 15/2 = 105)。第 13 群までで 91 個なので、100 番目は第 14 群の 9 番目。この数列では n 番目の数は n なので値は 100

1 | 1、2 | 1、2、3 | 1、2、3、4 | … 100 番目の数は? → 第 14 群の 9 番目なので 9 第 14 群の和は? → 1 + 2 + … + 14 = 105

ここまでできれば十分

分数の群数列(1/1 | 1/2、2/2 | 1/3、2/3、3/3 | …)、奇数の群数列(1 | 3、5 | 7、9、11 | …)も同じ手順です。奇数の群数列では、第 k 群の最初の数は「第 k − 1 群までの項数 × 2 + 1」で出ます。第 k 群の和は、第 k 群の項がすべて奇数で k 個あることから、 になるのが有名です(1、3 + 5 = 8、7 + 9 + 11 = 27、…)。


4. 図形の規則性 ── 数列に直す

まずここだけ

碁石・マッチ棒・タイルの問題は、1 番目・2 番目・3 番目を実際に数えて数列にし、差を見て式を作ります。

マッチ棒で正三角形を横一列に n 個つなげて並べるとき、必要な本数は? 1 個:3 本、2 個:5 本、3 個:7 本 → 差 2 の等差 → 2n + 1 本(最初の 1 本 + 三角形ごとに 2 本)

正方形を横一列に n 個つなげるとき → 4、7、10、… → 3n + 1 本

1 辺に n 個の碁石を正方形の周だけに並べると → 4(n − 1) 個(4 辺 × n から角の重複 4 を引く) 正三角形の周だけなら 3(n − 1) 個

ここまでできれば十分

2 次元に広がる問題(正方形を n × n に並べたときのマッチ棒、正三角形を大きな正三角形に敷き詰めたときの枚数)は差が等差になるので、階差の方法で 2 次式になります。n × n の方眼のマッチ棒は 2n(n + 1) 本(横線 n + 1 本 × n、縦線 n + 1 本 × n)と、縦と横に分けて数えると速く出ます。

三角数 1、3、6、10、15、…(n 番目は n(n + 1)/2)と四角数 1、4、9、16、…(n²)は、図形の問題によく現れる数列です。


5. 魔方陣 ── 各列の和は決まっている

まずここだけ

魔方陣は、n × n のますに 1 から n² までの整数を 1 つずつ入れ、縦・横・対角線のどの列の和も等しくなるように並べたものです。各列の和は、全部の和 n²(n² + 1)/2 を n で割って、

各列の和 = n(n² + 1)/2

n使う数各列の和
31〜915
41〜1634
51〜2565

ここまでできれば十分

3 × 3 の魔方陣には、次の性質があります。

一例: 2 7 6 9 5 1 4 3 8

4 × 4 の魔方陣は各列の和 34。よく使う基本形は「1〜16 を順に書き、対角線上の数だけを中心に関して対称な位置と入れかえる」で作れ、この形では中央 4 ます・四隅 4 ます・各 2 × 2 の区画の和もすべて 34 になります。

もう一歩(発展)

「1〜9 以外の数(たとえば 3〜11、または 1 から 17 までの奇数)で 3 × 3 の魔方陣を作る」問題は、使う 9 個の数が等差数列なら、中央は 9 個の数の平均(= 5 番目に小さい数)、各列の和は中央の 3 倍です。1〜17 の奇数なら中央 9、各列の和 27 です。空欄を問う問題は、「中央を通る列の和 = 3 × 中央」と「向かい合う 2 数の和 = 2 × 中央」を使って、分かるますから順にうめます。


6. よくある間違い

間違い正しくは
等差数列の n 番目を a + nd とするa + (n − 1)d。1 番目に公差は足さない
「10 から 50 までの 5 の倍数」の個数を (50 − 10) ÷ 5 = 8 とする(50 − 10) ÷ 5 + 1 = 9 個。両端を含めるので + 1
階差数列で n 番目を出すとき、差を n 個足す差は n − 1 個。初項 + (差の 1〜n − 1 番目の和)
群数列で「第 k 群の最初」を k(k + 1)/2 番目とする第 k − 1 群までの項数 + 1 番目
3 × 3 の魔方陣で角に奇数を置く中央 5、角は偶数、辺の中央は奇数
魔方陣の各列の和を n² の半分などと勘で出すn(n² + 1)/2。3 × 3 は 15、4 × 4 は 34

7. 解き方の型

  1. 数列を見たら、まず差をとる。そろえば等差、そろわなければ差の差・比・1 つとばし・前 2 つの和を疑う
  2. n 番目の式ができたら、n = 1、2、3 を代入して元の数列と合うか確かめる
  3. 和は「(初項 + 末項) × 項数 ÷ 2」。項数は(末項 − 初項)÷ 公差 + 1 で、+ 1 を忘れない
  4. 群数列は「第 k 群までの項数の合計」を先に式にし、何番目がどの群かを決める
  5. 魔方陣は各列の和 n(n² + 1)/2 を出し、3 × 3 なら中央 5・向かい合う 2 数の和 10 で空欄をうめる

8. 小テストへ

→ 小テスト(zs-18

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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