地方上級 / 古文・漢文 / zb-06

更新 2026-09-14

古文と漢文の読み取り(出題は少ない・最低限)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

地方上級・国家一般職の教養試験で、古文・漢文はまったく出ない年や自治体もあり、出ても多くはありません。したがって、この単元に多くの時間を割く必要はありません。ここでやることは、出たときに捨てずに済む最低限です。具体的には、①現代語と意味の違う古語をひと通り思い出す、②係り結びと主な助動詞を確認する、③漢文の句形(使役・受身・反語・否定・限定・仮定)を確認する、の 3 つです。文章の読み方そのものは現代文(zb-01zb-02)と同じで、選択肢は本文に戻って切ります。高校で古典を学んだ人は、jg-01jg-08(古文)・jk-01jk-04(漢文)を見直せば十分です。


1. 古文 ── 現代語と意味が違う語

まずここだけ

古文の問題で問われるのは、ほとんどが現代語と形は同じで意味が違う語です。次の語は、出てきたら「現代語の意味ではない」と考えてください。

古語意味現代語との違い
あやし不思議だ・疑わしい(/身分が低い・粗末だ)「気味が悪い」ではない
をかし趣がある・美しい・すばらしい「笑える」ではない
あはれしみじみと心を動かされる「かわいそう」だけではない
うつくしかわいらしい「美しい」より「小さくてかわいい」
ありがたしめったにない「感謝」の意味は後の時代
おどろくはっと気づく・目を覚ます「びっくりする」だけではない
つとめて早朝・その翌朝「努めて」ではない
ゆかし心ひかれる・見たい・知りたい「懐かしい」ではない
めでたしすばらしい・立派だ「祝うべき」だけではない
やがてそのまま・すぐに「しばらくして」ではない

ここまでできれば十分

意味を思い出せないときは、文脈で決めます。「人々あやしみて、『何のために〜』と問ひければ」なら、直後に理由を尋ねているので「不思議に思って」です。選択肢に現代語の意味(気味悪がって)が並んでいたら、それは誤答として用意された選択肢だと考えてください。

主語の省略は、次の 2 つで補います。

もう一歩(発展)

係り結びは、文中の係助詞で文末の形が決まります。

係助詞結び
ぞ・なむ・や・か連体形ありがたき心地
こそ已然形何もなき夜こそ、心はのどかなれ

「なぜ已然形になっているか」と問われたら、文中の「こそ」を探します。「ぞ」なら連体形です。「や・か」は疑問・反語の意味を加えます。

主な助動詞は、接続(前の語の形)と文脈で見分けます。

助動詞意味見分け方
けり過去(詠嘆)物語の書き出し「昔、男ありけり」
完了連用形につく「日暮れぬ」。未然形につく「ぬ」は打消「ず」の連体形
意志・推量主語が自分なら意志「行かむ」、他人なら推量
る・らる受身・尊敬・自発・可能「人に〜る」なら受身
打消「行かず」
なり断定/伝聞・推定体言・連体形につけば断定、終止形につけば伝聞・推定

2. 漢文 ── 句形で文の意味が決まる

まずここだけ

漢文の問題は、白文(元の漢字だけの文)と書き下し文の両方、または書き下し文だけが示されます。読むのは書き下し文で十分です。問われるのは、次の句形が分かるかどうかです。

句形書き下しの形意味
使役A をして B しむA に B させる
受身A に B る(らる)/B せらるA に B される
反語豈に〜んや/何をか〜んどうして〜だろうか、いや〜ない
疑問何為れぞ〜/何を以て〜かどうして〜か/何によって〜か
否定〜ず/〜莫し/未だ〜ず〜ない/〜がない/まだ〜ない
二重否定〜ざる莫し/〜ざるは無し〜しない者はいない(=皆〜する)
限定唯だ〜のみ/〜而已ただ〜だけ
仮定如し〜ば/苟くも〜ばもし〜ならば

ここまでできれば十分

いちばん差がつくのは、反語と疑問の区別です。形は同じ「何をか〜ん」でも、反語は「いや〜ない」という強い否定です。文脈で決めます。「勝ちて何をか得ん」と妻が言い、夫が黙って碁をやめた、という流れなら、妻は「何も得られないではないか」と反論したのであって、質問したのではありません。直後の反応(黙る・従う・改める)が反語の目印です。

もう 1 つは二重否定です。「民信ぜざる莫し」を「民は誰も信じなかった」と取ると、直後の「国遂に治まる」とつながりません。「〜ざる莫し」は「皆〜する」と読みかえてください。

もう一歩(発展)

再読文字(未・将・当・応・宜・須・猶・盍)は、書き下し文では 2 回読まれています。「未だ嘗て見ず」の「未」は「いまだ〜ず」、「家将に飢ゑんとす」の「将」は「まさに〜んとす」です。書き下し文が示されていれば、意味だけ分かれば十分です。


3. 内容合致の解き方 ── 現代文と同じ

まずここだけ

古文・漢文の内容合致は、現代文の内容把握(zb-02)とまったく同じ型で解きます。

  1. 設問と選択肢に先に目を通し、人物名・行動のキーワードに印をつける
  2. 本文を読みながら、誰が・何をした・どう言ったを段落ごとにメモする
  3. 選択肢を「逆」「言い過ぎ」「無関係」で切る

古文・漢文の誤答は、主語の入れかえ(黙ったのは夫なのに「妻を説き伏せた」)と結末の入れかえ(国は治まったのに「乱れた」)で作られることが多く、現代文の「一部だけ正しい」型は少なめです。誰が・どうなったかを確かめれば切れます。

ここまでできれば十分

古文の随筆では、「人はみな〜けれど、〜こそ〜なれ」のように、世間の見方と筆者の見方を対比する文が主張です。現代文の「〜と思われがちだが、実は〜」と同じ型で、世間の見方のほうを述べた選択肢は「逆」の誤答になります。


4. よくある間違い

間違い正しくは
「をかし」を「おかしい」、「ありがたし」を「ありがたい」と読む現代語と違う意味の語は、選択肢に現代語の意味が並んでいたら疑う
「給ふ」の敬意を作者からのものと決める会話文の中なら話し手から。地の文なら作者から
「何をか〜ん」をいつも疑問と読む直後に相手が黙る・従う流れなら反語
「〜ざる莫し」を「〜しない」と読む二重否定=強い肯定「皆〜する」
古文・漢文だからと最初から捨てる語と句形の最低限で、内容合致は現代文と同じ型で切れる

5. 解き方の型

  1. 古語:現代語と意味が違う語(あやし・をかし・ありがたし・おどろく など)に印をつけ、文脈で意味を決める
  2. 主語:「給ふ」の有無と「〜と言ひて」の切れ目で補う
  3. 係り結び・助動詞:「こそ」→已然形、「ぞ・なむ・や・か」→連体形。助動詞は接続と主語で見分ける
  4. 漢文:書き下し文を読み、句形(使役・受身・反語・疑問・否定・二重否定・限定・仮定)を当てはめる。反語は直後の反応で確かめる
  5. 内容合致:誰が・何をした・どうなったをメモし、主語と結末の入れかえを切る

6. 小テストへ

→ 小テスト(zb-06

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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