勉強法
中 3 の 1 年 ── 4 月から入試までに、どのやり方をいつ使うか
一言で
中 3 の 1 年は、前半が「定期テスト(内申)」、後半が「入試(全範囲)」の年です。使う勉強法も、時期に合わせて重心を移します。 このページは、各勉強法の記事を時期の順に並べ直した案内です。「この時期にこれをやれば受かる」という段取りを、研究で確かめたものではありません。 日程は制度ページと同じ値です。月ごとの段取りは、研究からの【推論】か「目安」として読んでください。
今日からやること
- 自分の県の入試日と、内申に使う学年を調べる。「(都道府県名) 公立高等学校 入学者選抜 実施要綱」で、教育委員会のページを見ます。手帳の最後のページに書いておきます
- 1・2 年の単元を 1 つ選び、このサイトの小テスト(基礎)を解く。まちがえた単元は「戻る単元リスト」に書きます。週に 2 単元ずつ広げます
- 平日の勉強を 1 つだけ「もし〜したら」で決める。例「部活から帰って着替えたら、英単語を 15 分」。決め方は 勉強の計画と部活の両立 にあります
1 年の見取り図(目安)
| 時期 | 学校と入試の節目 | 勉強の中心 | 主に使うやり方 |
|---|---|---|---|
| 4〜6 月 | 1 学期の定期テスト。学校説明会が始まる | 定期テスト+1・2 年の穴さがし | 思い出す練習・日をあけて戻る・計画 |
| 夏休み | 模試・オープンスクール。志望校を絞る | 1・2 年の総復習。過去問を 1 年分 | 日をあけて戻る・混ぜて解く・過去問 |
| 9〜11 月 | 入試要綱の公表(東京都は 9 月)。内申が決まる最後の学期の県が多い | 2 学期の定期テスト+全範囲の混ぜ解き | 混ぜて解く・間違いノート・模試の直し |
| 12 月〜入試 | 三者面談(12 月)・推薦(1 月)・一般入試(2 月) | 過去問の 2 周目・本番の練習 | 過去問・睡眠・本番の緊張への備え |
表の左 2 列は 高校入試の日程 の「中 3 の 1 年間(全国的な流れ)」と同じです。右 2 列はこのページの目安です。
東京都立高校の例(令和 9 年度=2027 年春入学)
東京都教育委員会の発表(2026 年 5 月 28 日公表)では、次の日程です。
- 推薦に基づく選抜:2027 年 1 月 26 日・27 日(合格発表 2 月 2 日)
- 学力検査(第一次募集・分割前期募集):2027 年 2 月 21 日(合格発表 3 月 1 日)
- 志願者情報の入力:2026 年 12 月 18 日〜2027 年 2 月 4 日 午後 5 時
- 英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3):入試より前の秋〜冬に、中学校で受けます。追試験・再試験は 12 月 13 日です
日程は都道府県ごと・年度ごとに違います。令和 10 年度以降の人は、最新の発表で確かめてください。
4〜6 月 ── 定期テストを「1・2 年の穴さがし」にも使う
やること
- 1 学期の定期テストに向けて準備する。内申に使う学年は県で違います。ただ「3 年のみ」「1〜3 年」「2・3 年」のどれでも、3 年の評定は入ります(内申点のしくみ)
- 提出物と実技教科も手を抜かない。評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の 3 観点で決まります。東京都の一般入試では、実技 4 教科の評定が 2 倍で計算されます
- 1・2 年の単元の穴を見つける。入試は 3 年分から出ます。この時期は「直す」より、まず「どこが抜けているか」を知るのが目的です【推論】
- 志望校の候補を 3〜5 校あげる。学校説明会はこの時期から始まります
使う勉強法
- テスト効果(思い出す練習):定期テストの 1 週間前は、ノートの読み返しをやめて小テストを解きます。アメリカの中 2 理科の教室では、小テストに出した内容は単元末テストで 13〜25% 高い結果でした(#18)
- 間隔反復:定期テストが終わった単元に、1 週間後と 1 か月後に戻ります。テストのあとに捨てない勉強が、そのまま入試の準備になります【推論】
- 勉強の計画と部活の両立:部活が続くあいだは、平日を「もし〜したら」で決めます。94 の検証をまとめた分析で、目標の達成に d = 0.65 の差がありました(#34)
- 予習のしかた・解答例から学ぶ:3 年の新しい単元(二次方程式・三平方の定理・関係代名詞など)に使います。授業の前に問いを作り、授業のあとは例題を読んですぐ類題を解きます
このサイトでは
- 授業で進む 3 年の単元は、その日のうちに小テストを 1 回。たとえば 二次方程式(因数分解・平方根・解の公式) や 関係代名詞(主格・目的格) です
- 週末に 1・2 年の単元を 2 つずつ、小テスト(基礎)で穴さがしします。一次関数(式・グラフ・変化の割合)・比較・日本の地形・気候・自然災害 のように、教科を変えて選びます
- まちがえた型は端末内に記録されます。次に開いたときの「前に間違えた型をやり直す」から始めます
部活がある時期
引退の時期は、学校・部・大会の結果で違います。引退までは、まとまった時間より15 分の枠を毎日つくるほうが続けやすいです【推論】。 部活でくたくたの日は、新しい範囲に進まず、小テストを 1 回解いて寝ます(運動と勉強・睡眠と一夜漬け)。
夏休み ── 1・2 年の総復習と、過去問を 1 年分
やること
- 1・2 年の総復習を、全教科少しずつ進める。「7 月は数学だけ」のように 1 教科を固めきると、8 月には 7 月の分が抜けていきます【推論】
- 志望校の都道府県の過去問を 1 年分、時間を計って解く。まだ習っていない範囲は飛ばします。目的は、形と時間配分を知ることです(過去問の使い方)
- 模試を受けたら、判定より「まちがえた問題」を見る。直し方は 模試の結果の使い方 にあります
- オープンスクール・説明会で志望校を絞る。私立の「併願優遇の基準」は、秋の説明会や個別相談で示されることが多いので、日程を先に確かめます(高校入試の日程)
使う勉強法
- 間隔反復:1 日の中で 2〜3 教科を回します。翌週にもう一度同じ単元へ戻ります
- 交互練習(混ぜて解く):単元ごとに並んだ問題集だけでなく、ちがう単元を混ぜて解きます。アメリカの中 1 の数学の教室では、1 か月後のテストで 61% 対 38% でした(#3)。入試は単元名が書かれずに出るので、型を見分ける練習になります
- 単語帳の使い方:英単語は小分けにせず、大きな束で回します。参加者の 90% で大きな束が上だったのに、72% は「小分けのほうが覚えた」と感じていました(#33)
- 睡眠と一夜漬け:夏休みは寝る時刻が後ろにずれやすい時期です。起きる時刻を、学校のある日から 1 時間以内にそろえます
夏休みの 1 日の例(目安)
| 時間帯 | 例 |
|---|---|
| 午前 | 数学:1・2 年の単元を 2 つ、小テスト → 間違えた型の解説 |
| 午後 | 英語:単語帳 20 分+文法の単元 1 つ。理科か社会の単元 1 つ |
| 夕方 | 「前に間違えた型をやり直す」を 2〜3 教科 |
| 週 1 回 | 過去問や模試を時間どおりに解く日。翌日に直す |
時間の長さより、中身を記録します(勉強時間の長さと質)。上の割り振りは研究で決めたものではなく、目安です。
このサイトでは
- 教科ごとのまぜこぜテストは、全単元から混ぜて出ます。数学・英語・理科・社会・国語 です
- 解説に「【単元名】」がつくので、どの単元の型だったかを答え合わせで確かめられます。まちがえた単元を「戻る単元リスト」に足します
- 紙でやりたいときは、各単元のプリントを印刷します。1 週間後に解く分を先に刷っておくと、戻り忘れが減ります
9〜11 月 ── 内申の最後の学期と、全範囲の混ぜ解き
やること
- 2 学期の定期テストに向けて準備する。内申が確定するのは 3 年 2 学期末(12 月)の県が多い、とされています(高校入試の日程)。提出物の期限も、この学期まで気を配ります
- 入試要綱を確かめる。都道府県が入試要綱を公表する時期です(東京都は 9 月)。学力検査と内申の比率・実技の倍率・使う学年の 3 点を見ます
- 定期テストのあとに、過去問の大問を 1 つ混ぜる。定期テストは範囲の狭い「単元ごとの練習」で、入試は全範囲が混ざります(過去問の使い方の推論)
- 東京都の人は、英語のスピーキングテストに備える。結果は A〜F で調査書に書かれ、総合得点に最大 20 点が加わります(高校入試のしくみ)
使う勉強法
- 交互練習(混ぜて解く):定期テスト 2 週間前は、範囲の全単元から 1〜2 問ずつ集めて解きます。入試の勉強も同じ形で続けます
- 間違いノート:問題は写さず 3 行だけ書きます。翌日〜3 日後と 1 週間後に、答えを隠して解き直します
- 模試の結果の使い方:まちがいを「知らなかった」「時間が足りなかった」「解けたのに落とした」「読みちがえた」に分けます
- 計算ミスと見直し:「うっかり」と「思いちがい」を分けます。思いちがいは単元に戻ります
- 音読:英語の教科書の本文を、意味を確かめてから声に出します。話すテストの直接の対策を研究で確かめたものではありません【推論】
このサイトでは
- 模試や過去問で「知らなかった」に入れた単元は、解説の「まずここだけ」から読み、小テストを解きます
- 「同じ型でもう 1 問」で数字を変えた問題を解きます。同じ過去問を何周もするより、答えの丸暗記を避けられます
- 理科・社会は、1・2 年の単元も混ぜます。回路と電流・電圧・オームの法則 や 鎌倉時代 を、3 年の単元のあいだに 1 つはさみます
12 月〜入試 ── 過去問の 2 周目と、本番の練習
やること
- 三者面談で受験校を決める(12 月)。私立の併願校もここで確定します。東京都は、12 月 18 日から志願者情報の入力が始まります
- 過去問を本番の時間で解き、2 周する。東京都(本番 2 月 21 日)なら、12 月から 5〜6 年分を 2 周という組み方ができます(高校入試の日程の逆算)
- 推薦を受ける人は、面接と作文の練習を 12 月から。東京都の推薦は 2027 年 1 月 26 日・27 日です。推薦は面接や作文の配点も大きい方式です(高校入試のしくみ)
- 新しい問題集を増やさない。手持ちの過去問と、まちがえた単元の解き直しに時間を回します【推論】
使う勉強法
- 過去問の使い方:解答を隠し、時間を計って解きます。2 周目は間をあけます。本番まで 3 か月ほどなら、間隔は 1〜3 週間が目安です(事実を覚える実験の数字を当てはめた推論・#155)
- 睡眠と一夜漬け:テスト前日の夜は新しい範囲に手を出さず、いつもの時刻に寝ます
- 本番の緊張:日本の中 2・141 人の研究で、期末試験の前に短く書き出すとテスト不安が下がりました(#212)。海外の追試で差が出なかった例もあります
- 「最初の答えは変えるな」は本当か:見直しは「△をつけた問題」とマークのずれから。変えるのは理由を言えるときだけです
- 朝型・夜型と勉強の時間帯:本番の 1 か月前から、休日の過去問を本番の開始時刻に合わせて解きます
- 朝ごはんと食事:試験の日の朝は、ふだん食べ慣れたものにします
3 月まで見ておく
東京都では、分割後期募集・全日制第二次募集の出願が 2027 年 3 月 4 日、検査が 3 月 9 日です。不合格だった場合の次の手を、出願の前に家族と決めておきます(高校入試の日程)。
よくある誤解
「受験勉強は、部活を引退してから始めるもの」 内申は 1 学期の成績から積み上がります。引退前は時間が短くても、「15 分・毎日」の枠で思い出す練習はできます。引退後も、体を動かす予定を少し残します(運動と勉強)。
「定期テストの勉強と入試の勉強は別物」 定期テストの範囲も、入試の範囲です。テストが終わった単元に 1 週間後・1 か月後に戻れば、定期テストの勉強がそのまま入試の準備になります【推論】。
「過去問はもったいないから、直前までとっておく」 とっておいた過去問は、解かない限り練習になりません。夏に 1 年分を解いて形を知り、12 月から本格的に回します(過去問の使い方)。
「夏休みは 1 日 10 時間やらないと間に合わない」 時間の長さだけでは、中身が分かりません。時間と中身を並べて記録し、読んでいただけの時間を、思い出す練習に置きかえます(勉強時間の長さと質)。
注意点
- このページの月ごとの段取りは、研究で比べたものではありません。もとにした研究の多くは、欧米の学生や教室が対象です。日本の中 3 の 1 年で直接確かめた研究は、このページではまだ引けていません
- 日程の例は東京都立高校の令和 9 年度のものです。推薦の有無・入試の回数・内申の計算は、都道府県で違います
- 定期テストの回数(2 学期制か 3 学期制か)や部活の引退時期は、学校で違います。自分の学校の予定に合わせて、月をずらしてください
- 研究の数字(#番号)は、リンク先の記事で引いた論文のものです。くわしい対象と限界は、それぞれの記事にあります
日程と制度の出典
- 高校入試の日程:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」(2026 年 5 月 28 日公表・2026-09-12 確認)
- 内申点(調査書)のしくみ:文部科学省の通知(平成 31 年 3 月 29 日)と、東京都教育委員会の冊子(令和 9 年度)
- 高校入試のしくみ:同じ東京都教育委員会の冊子(令和 9 年度・2026-09-12 確認)
このページでは新しい論文を引いていません。#番号は docs/参考文献ログ.md などの番号で、リンク先の記事が DOI を確認して引いたものです。
この 1 年で使う勉強法
| 記事 | いつ | なぜ |
|---|---|---|
| テスト効果(思い出す練習) | 1 年中。とくに定期テスト 1 週間前 | 読み返すより、閉じて思い出すほうが残る(#18 ほか) |
| 間隔反復 | 4 月〜。定期テストが終わった単元に | 1 週間後・1 か月後に戻ると、入試まで残る形になる |
| 勉強の計画と部活の両立 | 4〜7 月(部活がある時期) | 短い時間を毎日確保するため(#34) |
| 予習のしかた・解答例から学ぶ | 4〜11 月(3 年の新しい単元) | 新しい型を、授業の前後で短く固める |
| 単語帳の使い方 | 1 年中 | 大きな束で回し、日をあけて戻る(#33) |
| 交互練習(混ぜて解く) | 夏休み〜入試 | 入試は単元が混ざって出る。型を見分ける練習(#3) |
| 過去問の使い方 | 夏に 1 年分、12 月から 2 周 | 本番の形をした練習テストとして使う |
| 模試の結果の使い方 | 模試が返ってきた週 | 判定より、どこで落としたかを見る |
| 間違いノート | 9 月〜入試 | まちがえた問題を、日をあけて解き直す |
| 睡眠と一夜漬け | 1 年中。とくに夏休みと直前期 | 削った睡眠は、覚えた分を持っていく |
| 本番の緊張 | 12 月〜入試 | 書き出す・言いかえるを、模試で先に試す(#212) |
| 朝型・夜型と勉強の時間帯 | 本番の 1 か月前から | 本番と同じ時刻に頭を使う練習 |