勉強法
高 3 の 1 年 ── 共通テストと個別試験までの使い分け
一言で
高 3 の 1 年は、「全範囲を終わらせる時期」から「本番の形で解く時期」へ移っていきます。総合型選抜・学校推薦型選抜を受ける人は、書類と面接の準備も重なります。 このページは、各勉強法の記事を時期の順に並べ直した案内です。「この時期にこれをやれば受かる」という段取りを、研究で確かめたものではありません。 日程は制度ページと同じ値(令和 9 年度)です。月ごとの段取りは、研究からの【推論】か「目安」として読んでください。
今日からやること
- 手帳に 3 つの日付を書く。共通テストの出願(2026 年 9 月 15 日〜10 月 2 日)・本試験(2027 年 1 月 16 日・17 日)・志望校の個別試験の日です
- 共通テストで受ける科目を、志望校の募集要項で確かめる。受ける「教科」は出願のときに登録します。8 月末までに決めておくのが目安です(大学入試の日程)
- 今週の計画を「◯曜の◯時、どこで、何を何分」で 3 つ書く。例「放課後、自習室で英単語 20 分」。書き方は 勉強の計画と部活の両立 にあります
1 年の見取り図(目安)
| 時期 | 入試の節目(令和 9 年度) | 勉強の中心 | 主に使うやり方 |
|---|---|---|---|
| 4〜6 月 | 実施要項の通知(2026 年 5 月 27 日)。募集要項が順次公表 | 全範囲の穴さがし。方式(一般/総合型/推薦)の仮決め | 思い出す練習・日をあけて戻る・計画 |
| 夏 | 共通テストのマイページ作成(7 月 1 日〜)。総合型の書類準備 | 基礎固めの最後。共通テストの過去問に着手 | 混ぜて解く・単語帳・過去問 |
| 9〜12 月 | 総合型の出願(9 月 1 日〜)・共通テストの出願(9 月 15 日〜10 月 2 日)・推薦の出願(11 月 1 日〜) | 過去問と模試を本番の形で。記述の練習 | 過去問・模試の直し・間違いノート |
| 共通テスト前後 | 本試験 2027 年 1 月 16 日・17 日。自己採点のあと出願校を決める | 共通テストの形の演習 → 個別試験へ切り替え | 本番の時刻に解く・睡眠・本番の緊張 |
| 個別試験 | 個別試験は 2 月 1 日〜3 月 25 日の間。国公立の前期は例年 2 月 25 日ごろから | 志望校の過去問の 2 周目 | 過去問・答えの見直し |
表の左 2 列は 大学入試の日程 と同じ値です。右 2 列はこのページの目安です。 国公立の前期・後期の日付は、国立大学協会と各大学が毎年公表します。志望校の募集要項で確かめてください。
4〜6 月 ── 全範囲の穴さがしと、方式の仮決め
やること
- 志望校を 3〜5 校にし、方式を仮決めする。一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜のちがいは 大学入試のしくみ にあります
- 総合型を受けるかは、6 月までに決めるのが目安。活動報告書・志望理由書の準備に 2〜3 か月かかり、出願は 9 月 1 日以降です
- 学校推薦型を希望するなら、夏前に担任に伝える。校内の選考が夏〜秋にある高校が多く、成績は 3 年 1 学期までが使われることが多い、とされています
- 高 1・高 2 の範囲の穴を見つける。共通テストは高 1・高 2 で履修する内容が大半です。この時期は「どこが抜けているか」を知るのが目的です【推論】
使う勉強法
- テスト効果(思い出す練習):参考書を読み返す時間を、閉じて書き出す・小テストの時間に置きかえます
- 間隔反復:終えた単元に、1 週間後と 1 か月後に戻ります。アメリカの中 2 の歴史では、16 週間あけた復習テストが 9 か月後にもっともよい結果でした(#24)
- 単語帳の使い方:英単語・古文単語は大きな束で回します。参加者の 90% で大きな束が上でしたが、72% は小分けのほうが覚えたと感じていました(#33)
- 勉強の計画と部活の両立:部活を続ける人は、平日の勉強を「もし〜したら」で決めます(#34)
- 映像授業の見方:塾や予備校の映像で範囲を進める人は、10〜15 分ごとに止めて要点を書きます
このサイトでは
- 高 1・高 2 の単元を、週に 3〜4 単元ずつ小テスト(基礎)で確かめます。二次関数の最大・最小・関係代名詞・物質量 のように、教科を変えて選びます
- まちがえた型は端末内に記録されます。次に開いたときの「前に間違えた型をやり直す」から始めます
- 共通テストの科目と時間は 共通テストの科目・時間割・配点 で確かめます
夏 ── 基礎固めの最後と、共通テストの過去問 1 年分
やること
- 全範囲を「解ける」状態にする。大学入試の日程 では、夏休みを「基礎固めの最後の期間」としています
- 共通テストの過去問を 1 年分、時間を計って解く。令和 7 年度(2025 年 1 月)から、新しい学習指導要領に合わせた出題です。新しい形の年度を先に使います(過去問の使い方)
- 受ける科目を決める。出願は 9 月 15 日からです。8 月末までに決めておくのが目安です
- 総合型を受ける人は、書類を仕上げる。出願は 9 月 1 日以降です
使う勉強法
- 交互練習(混ぜて解く):単元別の問題集だけで終えず、ちがう単元を混ぜて解きます。本番は単元名が書かれずに出ます。アメリカの中 1 の数学の教室で、1 か月後のテストは 61% 対 38% でした(#3)
- 過去問の使い方:解いたら、まちがいを「知らなかった」「知っていたのに出せなかった」「時間切れ・読み違い」に分けます
- リスニングの練習・シャドーイング:共通テストの英語は、リーディング 100 点とリスニング 100 点です。聞き流しより、書き取る・スクリプトで確かめる聞き方へ
- 多読:リーディング 80 分で時間が足りない人は、やさしい英文を毎日 10〜15 分読みます
- 睡眠と一夜漬け:夏は寝る時刻が後ろにずれやすい時期です。起きる時刻を、平日から 1 時間以内にそろえます
夏の 1 日の例(目安)
| 時間帯 | 例 |
|---|---|
| 午前 | 数学か理科:単元の問題を解く → 前の単元を 2〜3 問混ぜる |
| 午後 | 英語:長文 1 題を時間を計って+単語帳 30 分。国語か社会を 1 単元 |
| 夜 | その日の内容を閉じて思い出す 30 分。「前に間違えた型をやり直す」 |
| 週 1 回 | 共通テストか模試を、時間どおりに解く日。翌日に直す |
上の割り振りは研究で決めたものではなく、目安です。時間の長さより、中身を記録します(勉強時間の長さと質)。
このサイトでは
9〜12 月 ── 出願と、本番の形の演習
この時期の節目(令和 9 年度)
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026 年 9 月 1 日以降 | 総合型選抜の出願受付(大学ごと) |
| 9 月 15 日〜10 月 2 日 | 共通テストの出願・検定料の支払い |
| 10 月 9 日〜16 日 | 共通テストの出願内容の確認・訂正 |
| 11 月 1 日以降 | 学校推薦型選抜の出願受付/総合型選抜の合否発表 |
| 12 月 1 日以降 | 学校推薦型選抜の合否発表 |
| 12 月上旬まで | 共通テストの受験票をマイページで取得 |
高校在学中の人は、学校がまとめて案内することが多いので、学校の指示に従います(共通テストの科目・時間割・配点)。
やること
- 過去問と模試を、本番の形で解く。解答を隠し、時間を計って解きます。2 周目は数週間あけます
- 個別試験が記述式なら、志望校の過去問を早めに 1 年分。来るテストの形で勉強のしかたが変わる、という日本の中学生・大学生の研究があります(#156〜#159)。記述なら、早く形を知るとそちらに寄せやすいと考えられます【推論】
- 総合型・推薦の面接の準備と、一般選抜の勉強を並べる。令和 9 年度から、総合型と学校推薦型では面接と、学力を測る方法を少なくとも 1 つ使うことが原則です(大学入試のしくみ)。合否が出るまで一般の勉強を止めないのが目安です【推論】
使う勉強法
- 模試の結果の使い方:判定より、まちがえた問題を見ます。結果の伝え方の研究をまとめた分析では、平均はプラスでも 3 分の 1 以上で成績が下がっていました(#447)
- 間違いノート:問題を写さず 3 行だけ書き、翌日〜3 日後と 1 週間後に解き直します
- 英作文の直し方:個別試験の英作文は、添削が返ってきた日のうちに同じ題で全文を書き直します
- 現代文の読み方・古文単語と古典文法の覚え方:国語は段落ごとの要約と、本文の 1 文といっしょに覚える単語で
- 計算ミスと見直し:「うっかり」と「思いちがい」を分け、検算は別の道で行います
- 先延ばし:出願や書類の締め切りが重なる時期です。手がつかない課題は「最初の 5 分でやること」まで小さくします
このサイトでは
- 模試で「知らなかった」に入れた単元は、解説の「まずここだけ」に戻り、小テストを解きます
- 「同じ型でもう 1 問」で数字を変えた問題を解きます。同じ過去問を何周もするより、答えの丸暗記を避けられます
共通テスト前後 ── 本番の時刻で解き、自己採点から切り替える
時間割(令和 9 年度・本試験)
| 日 | 時間割 |
|---|---|
| 1 日目(2027 年 1 月 16 日) | 地理歴史・公民(2 科目は 9:30〜11:40)・国語(13:00〜14:30)・英語リーディング(15:20〜16:40)・リスニング(17:20〜18:20) |
| 2 日目(1 月 17 日) | 理科(2 科目は 9:30〜11:40)・数学①(13:00〜14:10)・数学②(15:00〜16:10)・情報Ⅰ(17:00〜18:00) |
1 科目だけ受ける地理歴史・公民と理科は、10:40〜11:40 です。追試験・再試験は 1 月 23 日・24 日です(共通テストの科目・時間割・配点)。
やること
- 12 月からの休日に、本番と同じ時刻で解く日をつくる。9 時 30 分に地歴公民、17 時 20 分にリスニング、の順で 1 日を通します
- 新しい教材を増やさない。手持ちの過去問と、まちがえた単元の解き直しに時間を回します【推論】
- 本試験のあとは、自己採点して出願校を決める。共通テスト利用方式の私立は、1 月中に出願が締め切られる大学が多い、とされています。成績が大学に届くのは 2027 年 2 月 2 日以降です
使う勉強法
- 朝型・夜型と勉強の時間帯:本番の 1 か月前から、休日の過去問を本番と同じ時刻に解きます
- 睡眠と一夜漬け:前日の夜は新しい範囲に手を出さず、いつもの時刻に寝ます
- 本番の緊張:日本の中 2・141 人の研究で、試験の前に短く書き出すとテスト不安が下がりました(#212)。海外の追試で差が出なかった例もあるので、模試で一度試しておきます
- 「最初の答えは変えるな」は本当か:見直しは「△の問題」とマークのずれから。変えるのは理由を言えるときだけです
- 朝ごはんと食事:試験の日の朝は、ふだん食べ慣れたものにします
- スマホと勉強:直前期こそ、勉強の時間帯は通知を切ります
個別試験 ── 志望校の過去問の 2 周目
やること
- 共通テストのあとは、個別試験の形に切り替える。個別試験の期日は 2027 年 2 月 1 日〜3 月 25 日の間です。国公立の前期は例年 2 月 25 日ごろ、後期は 3 月 12 日ごろからです
- 志望校の過去問を本番の時間で解き、2 周目に入る。前期まで 1 か月ほどなら、2 周目の間隔は数日〜1 週間ほどが目安です。過去問の使い方 の間隔の割合を当てはめた【推論】です
- 私立の一般選抜と国公立の対策を並べる。日程表を書き、受験日の前後に「解き直しの日」を入れておきます
使う勉強法
- 過去問の使い方:2 周目は、まちがえた問題と、数字や聞き方を変えた類題を解きます。同じ問題を何周もすると、答えの位置や数字を覚えてしまうからです
- 人に説明する・自分に説明する:記述の答案は、解説を閉じて「なぜこの一手か」を口で説明できるかで確かめます
- 英作文の直し方:直された所の横に「なぜ違うか」を 1 行書き、似た題で新しい英文を書きます
- 睡眠と一夜漬け:試験が続く時期です。受験日の前日も、いつもの時刻に寝ます
3 月まで見ておく
合格者の決定発表は 3 月 31 日までです。後期日程や追加の出願まで含めて、出願の前に家族と次の手を決めておきます(大学入試の日程)。
よくある誤解
「共通テストの対策と個別試験の対策は、まったく別」 どちらも土台は、全範囲を閉じて思い出せることです。形がちがうのは、解く時間と答え方です。秋は両方の過去問を混ぜ、1 月の共通テスト前だけ比重を寄せます【推論】。
「総合型や推薦を受けるなら、一般の勉強はいらない」 令和 9 年度から、総合型と学校推薦型でも学力を測る方法を少なくとも 1 つ使うことが原則です。不合格でも一般選抜は受けられます(大学入試のしくみ)。
「直前期は、新しい問題集で穴を埋める」 新しい教材は、1 周するだけで時間がなくなりがちです。手持ちの過去問と、まちがえた単元の解き直しに時間を回すのが目安です【推論】。
「模試の判定が悪かったから、やり方を全部変える」 判定は、受けた人たちの中の位置です。変えるのは「どこで落としたか」に対応するやり方だけにします(模試の結果の使い方)。
注意点
- このページの月ごとの段取りは、研究で比べたものではありません。もとにした研究の多くは、欧米の学生や教室が対象です。共通テストや大学入試そのものを対象にした実験は、このページではまだ引けていません
- 日程は令和 9 年度(2027 年春入学)のものです。翌年度の実施要項は例年 5〜6 月に公表されます。最新は文部科学省と大学入試センターの発表で確かめてください
- 大学がどの科目を使うか、リーディングとリスニングの比率をどうするかは、大学ごとに決めます。志望校の募集要項が正本です
- 研究の数字(#番号)は、リンク先の記事で引いた論文のものです。くわしい対象と限界は、それぞれの記事にあります
日程と制度の出典
- 大学入試の日程:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第 4、大学入試センター「令和9年度 共通テスト実施要項」(どちらも 2026-09-12 確認)
- 共通テストの科目・時間割・配点:大学入試センター「令和9年度 共通テスト実施要項」「同 出題教科・科目の出題方法等」(2026-09-12 取得)
- 大学入試のしくみ:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和 8 年 5 月 27 日付・2026-09-12 確認)
このページでは新しい論文を引いていません。#番号は docs/参考文献ログ.md などの番号で、リンク先の記事が DOI を確認して引いたものです。
この 1 年で使う勉強法
| 記事 | いつ | なぜ |
|---|---|---|
| テスト効果(思い出す練習) | 1 年中 | 読み返すより、閉じて思い出すほうが残る |
| 間隔反復 | 4 月〜。終えた単元に | 日をあけて戻ると、本番まで残りやすい(#24) |
| 単語帳の使い方 | 1 年中(英単語・古文単語) | 大きな束で回し、日をあけて戻る(#33) |
| 勉強の計画と部活の両立 | 4〜7 月。計画が崩れたとき | 「いつ・どこで・何を」を決めておく(#34) |
| 映像授業の見方 | 4〜8 月(範囲を進める時期) | 止めて書く・すぐ解くで「分かった気」を防ぐ |
| 交互練習(混ぜて解く) | 夏〜本番 | 本番は単元が混ざって出る。型を見分ける練習(#3) |
| リスニングの練習・多読 | 夏〜1 月 | 共通テストの英語は読む・聞くが同じ 100 点 |
| 過去問の使い方 | 夏に 1 年分、秋から本格的に | 本番の形をした練習テストとして使う |
| 模試の結果の使い方 | 模試が返ってきた週 | 判定より、どこで落としたかを見る(#447) |
| 間違いノート | 9 月〜本番 | まちがえた問題を、日をあけて解き直す |
| 英作文の直し方 | 9 月〜個別試験 | 書き直しまでやって、同じまちがいを減らす |
| 睡眠と一夜漬け | 1 年中。とくに直前期 | 削った睡眠は、覚えた分を持っていく |
| 朝型・夜型と勉強の時間帯 | 本番の 1 か月前から | 本番と同じ時刻に頭を使う練習 |
| 本番の緊張 | 12 月〜本番 | 書き出す・言いかえるを、模試で先に試す(#212) |